四季を彩る花を撮る!花の撮影テクニックや設定、適したレンズを知ろう

この記事を読んで分かること
  • 花の撮影設定
  • 花の撮り方の工夫
  • ピントの置き方

四季を彩る花を撮る

四季がある日本では、四季を通して様々な花が季節を彩ります。花は季節を象徴するものでもあり、その季節ごとの花は積極的に撮影していきたい被写体となります。

彼岸花に舞うキアゲハ。真っ赤な彩りが秋の訪れを感じさせます。彼岸花の見頃は9月頃。

花は被写体としてとても奥深い要素をたくさん持っています。

未来を感じさせる蕾や、虫や鳥も呼び寄せる美しい花、儚い終わりを感じさせる花びらなど・・・花は私たちと同じ生物として一輪一輪がストーリーを秘めています。

仏教でも仏の智慧や慈悲の象徴とされ様々なモチーフにされる蓮の花。花は私たちの文化とも深く結びついています。

お寺に咲くアジサイ。露のしっとりとした雰囲気を演出しています。

夏の表情豊かな空とヒマワリ畑。

身近でありながら奥が深い、「花」の撮影をじっくり楽しみ味わうための知識をご紹介していきます。

花の撮影に向いたレンズ

単焦点レンズ

ボケを活かせる低いF値から解像感あふれる絞った描写まで、多様な描写ができる単焦点レンズがオススメです。焦点距離は、35㎜換算で90㎜以上の望遠気味な焦点距離の方が花の撮影では使いやすい場面が多くなります。理由は後から述べていきます。

おすすめの単焦点レンズをメーカー別に紹介。初心者も玄人も、これを見て決めろ!

マクロレンズ

寄って大きく近く撮影することで、花の細かい場所まで精彩に写し出すことができます。花びらの1枚やシベの一本一本まで写し出すことができます。

単焦点レンズとは?それは明るく使いやすいレンズの代名詞!

花の撮影におすすめの撮影設定・テクニック

撮影モードは絞り優先(A)でボケをコントロール

花の写真はボケのコントロールが大切となるので、撮影モードは絞り優先(A)がオススメです。

可動液晶を活用する

花は多くの場合低い位置に咲いています。低い位置に被写体がある場合、ファインダーを覗いての撮影や構図の決定が難しくなります。

低い位置の被写体は、カメラの液晶のバリアングルやチルト機能を活用して快適に構図探しを楽しみましょう。

トリひこ君

バリアングルやチルト液晶機能が付いていない場合は・・・

トリひこ君

このスタイルで撮影するしかないかも・・・! (撮影時は周りの人に迷惑をかけないようにしましょう!)

ピントの位置・被写界深度のコントロールを意識しよう

ピントを置く位置

花を近くから撮る場合、ピントの置き方で印象が大きく変わります。一輪の花を自然にキレイに見せる2通りのピントの置き方について説明します。

花のシベにピントを置く

基本的に花を撮影する際は、シベ(めしべやおしべ)にピントを合わせます。

花のシベにピントを置くと、シベを中心に花全体をしっかりと写し出せます。シベでない場所にピントが合ってしまうと、バランスが悪くなったりシャープさに欠けた写真になってしまいがちです。

大賀蓮の花。見頃は7~8月。 OLYMPUS OM-D EM1 50㎜ f5.6 1/1250 ISO 200

手前の花びらにピントを置く

チューリップや蓮、スズランなどの、花びらがシベを包むように咲く花で有効です。

手前の花びらにピントを置くことで花びらの質感をしっかりと伝えます。

奥の花びらは大きくぼかして柔らかいイメージに表現。

OLYMPUS OM-D EM1 50㎜  f5.6 1/125秒 ISO 200

主題の一輪にはキチンとピントを合わせる

花が主題の写真では、主題となる一輪にはキッチリピントを合わせましょう。

撮影直後の確認画面での細かい確認が大切です。

花畑では、無数の花の密集感を出して撮影しよう

花は一輪でも綺麗ですが、群落となって咲く花にはまた別の美しさがあります。

生命力あふれる無数の花々をどのように撮影したら良いのかを説明していきます。

密集した花にスキを作らない

花が敷き詰められたように密度感を出しながら撮影するのが、無数の花を撮るときの一番のコツです。

失敗例 by 編集長

白い花の写真。綺麗に生えて咲いているのは分かるのですが、花の配置が疎らになってしまっているようにも感じます。

撮る位置とアングルを変えてみた写真を見てみましょう。

ソバの花は6~10月の色んな時期に見られます。その間の種をまいた時期によって開花時期が変わります。

少し遠巻きから、換算120mmの中望遠の画角で撮影。

望遠の圧縮効果とアングル上からにしたことで、競うように咲く花と広がる背景を密生感を出しながら表現できました。

花が密に咲き乱れているように見える構図を探す

密生感を出す撮り方で重要なのが、構図探しです。

見頃は5~6月。

どの方向・角度から撮ると最もたくさん画面の中に花を収められるか、背景を彩ることができるか工夫しながら花の群落を観察してみましょう。

カラフルに咲くルピナスの花。花畑がずっと奥のほうまで広がっているように見えます。

実はこの場所、畝ひとつ分の範囲にしか花は植えられていませんでした。その場でもっとも花の咲き方に奥行きが出る構図を探して撮影したのです。この構図よりすぐ外側は何もない地面が広がっているのですが、全くそうは見えない切り取り方をしています。

その場の花々がもっとも美しく見える構図を探すことが重要です。

望遠レンズの圧縮効果で密集感を出す

先ほどから何回か書いているように、花畑を撮るときは望遠レンズの圧縮効果がとても有効です。

こちらは35㎜換算120㎜の中望遠で撮影したひまわり畑。望遠による圧縮効果で、花の密集感を強調しています。

超広角&超接写

超広角で花を撮影すると、ユニークな表現が可能になります。

超広角で撮影すると、花の一輪一輪が小さく遠い感じに写ってしまいがちなので、花の群落の中にカメラを埋めるくらいの気持ちで接写しましょう。

このように、パース(遠近感)を効かせた表現が出来ます。

寂れた民家に咲く福寿草の花。三月頃に他のどの花より早く雪の下から顔を出し花を咲かせます。

一輪の花を撮る時も、超広角&超接写でこのように背景の強調が出来ます。

一輪の花の撮り方

基本の構図は3分割法で

構図は基本的に三分割法に当てはめていきましょう。

三分割法をはじめとする構図について詳しくはこちらの記事へ

写真をより面白くする!映える構図・アングルのテクニックと基本パターン10選

花を囲む背景やシチュエーションがキーポイント

花だけでなく、花を取り囲む風景が印象的に写せるときは、積極的に背景も大きく映していきましょう。

霧のかかる森に咲くマルバダケブキ。静かな朝の森を背景に咲く黄色い花を引き立たせています。

このとき意識したのが、花の一株全体を画面に収めること。花を撮る時、茎から上と花だけを写してしまいがちですが、そうすると花がどこから生えているのかと、どのくらいの大きさなのかが伝わりづらくなってしまいます。

特にこのように背景を入れる場合は、背景も被写体として強い印象を持っているので背景に花自体が負けてしまわない為にも、花の一株全体を画面に入れて存在感を強調したいです。

群落の中のマイノリティーを探す

例えば、白い花の花畑の中に1輪だけ赤い花が咲いていたりしたら、とても映える絵になります。

花畑や花壇の同じ色の花群落の中に1輪だけ違う花や色の違う花が咲いていたら、絶好のシャッターチャンスです。

マイノリティーとなった1輪にピントを合わせて写してみましょう。

紫色の芝桜のなかに、一株のタンポポがあったのでその部分を切り取ってみました。紫と黄色のコントラストがファンタジックな世界を演出しています。

矢車草。矢車菊とも。麦秋とともに見頃は5~6月頃。

こちらは麦畑の中に生えていた矢車草の花。柔らかくぼかした淡い色の麦の中に浮かび上がる紫色の花が引き立ちます。

ピント合わせは正確に

小さな花を近くから撮るときは、シビアなピント合わせが必要になります。

1輪の花を撮るときは、その花の最も印象的であったり、きれいな部分にピントを合わせます。特にそういった箇所がなければ、先に書いたようにシベに合わせるとよいでしょう。

いくつかの花をつけたクリンソウ。右上にあるこちら側を向いている綺麗な1輪にピントを合わせたつもりだったのですが・・・

よく見るとピントは手前の花ではなく、奥のまだつぼみになっている部分に合っています。

狙った場所にしっかりピントを合わせ、シャープに写せるように心がけましょう。

オートフォーカスで合わせたつもりでも、案外ずれた場所にピントが来てしまったりするものです。

木になる花の撮り方

空の青い色を入れる

晴れている日に、木になるような高い位置の花を撮影する場合は背景の工夫次第で写真の印象を大きく変えることができます。

青空を背景とすることで、花の色と対比させることで爽やかな印象に。

明るい空を背景とすると、逆光で被写体が暗く映ってしまいがちです。フラッシュを活用することで逆光を打ち消すことができます。

華やかな枝を上からかぶせるように写す

頭上にある枝は画面上部に配置することで、自然な色どりと華やかさを写真に持たせることができます。

漢字で百日紅と書き、7~10月に100日ほど花を付けます。

鎌倉の大仏の手前にちょうどいい枝ぶりのサルスベリの花があったので、大仏とのバランスを考えながら撮影。

画面全体にいろんな要素が詰まって、見ごたえのある絵になりました。

花びらを撮る

花から落ちてしまった花びらも、儚げで印象的な被写体にすることができます。

蓮の葉の上に落ちた花びらと弾かれる水滴。普段目にすることのない小さく幻想的な世界を写し出しました。

こちらはアジサイの花。濡れた地面に淡く浮かび上がる小さな花のかけらを写しました。

花びらが綺麗な花を撮るときは、さらに足元にも注目して花びらを探して撮ってみてもいいかもしれません。

前ボケに花を入れ、彩りを演出する

フクロナデシコ。見頃は5~6月

主役となる被写体の前に花を配置し、ぼかして取り入れることで幻想的な彩りを演出することができます。

フクロナデシコの花畑にて、遠くのアルプスが綺麗だったので思い切りローアングルで構え、前ボケとして前景に取り入れました。

ボケは花とレンズが近いほど大きくだ事が出来ます。密集した花の位置と、主役となる被写体の位置関係を自分が動いて調整し、ボケの位置や大きさを変えましょう。

まとめ

花の撮影方法、なんとなく理解できましたでしょうか?

花の撮影をマスターして楽しめれば、季節をより鮮やかに楽しむことが出来ます。季節ごとの花は数え切れないほどあり、その季節ごとの花々を訪ねて撮影に出かける楽しみも増えます。

自然のものを被写体をすると教養も身につきます。私は鳥の撮影をすればその種類や生態が、星の撮影をすれば星座や星に関する知識が自然と身につきました。

花も同じで、一度撮影するために少し調べてさつえいすると、その生態や場所ごとの見頃の季節を覚えて、次の年もまたその知識は役に立ちます。

花の撮影をきっかけに、自然とのふれあいも感じていただけたら幸いです。

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