美しい日本の野鳥たち。一眼レフでの撮影基本設定とテクニック

   

この記事を読んで分かること
  • 野鳥の基本的な生態
  • 野鳥撮影の撮影設定・構図
  • 野鳥撮影に必要な機材・アイテム

一般的にイメージされがちな、大きな望遠レンズを構えるような野鳥撮影は敷居が高そうなイメージがありませんか?しかし近年、一眼レフの普及やレンズラインナップの多様化によって、野鳥撮影は比較的始めやすくなってきたのではないかと私は思います。

ファインダー越しに見る鳥たちの一瞬一瞬は可愛かったり、時に優雅で美しかったり、飽きることがありません。生き生きとした野鳥たちの姿を写し撮る喜びを、今回の記事でより多くの方に知っていただけたら幸いです。

目次

美しい日本の鳥たち

世界的に見ても類い希なくらい多様な自然環境を有する日本には、野鳥も多種多様に生息します。季節によって見られる鳥も変化し、野鳥撮影は一年を通して楽しめる最高の趣味の一つだと私は思います。

ある農村での一枚。日本の国鳥、向かい合うキジのつがい。日本の自然風景に合う凛とした風格をしています。

 

魚を捕え、咥えなおそうとする瞬間のカワセミ。美しいその姿は多くの野鳥写真愛好家を魅了します。

 

かつて日本の農村風景の象徴であった鳥、トキ。純粋な日本の野生種はもう存在しませんが、かつて日本中に存在したころの風景に思いを馳せてしまいます。

 

ミミズを咥えたクロツグミ。野鳥撮影では鳥たちの生きる姿を鮮明に写すこともできます。

 

冬に現れる青い鳥、ルリビタキ。シーズンごとにしか出会えない鳥がいるのも楽しい要素の一つです。

まずは野鳥の生態を知ろう!探し方や時間帯について

野鳥撮影は撮影以前にバードウォッチングでもあります。鳥たちの生態を知ることで、ただ撮るよりも深く楽しめ鳥たちの表情も豊かに見えてきます。

自らが通えるフィールドを持つ

何の撮影においても、「継続は力なり」です。一年を通して自らが通えるスポットを持つことで、鳥たちの生態や自らの撮影スタイルを学び身に着けることができます。

身近な田園風景でも、こんなダイナミックな一枚を狙えます。

野鳥撮影は朝夕の時間帯がおすすめ

朝夕が最も野鳥撮影に適した時間帯となる。朝は鳥たちが盛んにさえずり、エサを探すのに活発になるため探しやすくなります。夕方も光の具合が撮影にちょうど良くなります。

朝日に照らされる、エゴノキに留まるヤマガラ。

鳥たちの残す痕跡を探す

鳥たちがいる場所には必ず彼らの生活の跡が残されています。糞の跡や食い荒らされた果樹などがその例です。

鳴き声や姿を覚える

図鑑や動画サイトなどで、野鳥たちの姿や鳴き声を覚えましょう。鳴き声を聞いてその種が分かるようになってくると、一段と野鳥撮影が楽しくなります。

森でさえずるキビタキの雄。

野鳥撮影に向いたカメラボディの選び方

鳥たちの一瞬一瞬の表情や躍動を写真に収めるためには、カメラボディの性能が鍵となります。

カメラボディにおいて野鳥撮影で特に重要となる機能は二つあります。

被写体を捉えるAF性能

素早く宙を舞う鳥を補足するうえで重要となるのがAF性能です。AFが位相差による測距か、測距点がどれくらいあるかなどが重要なポイントとなります。

Nikon D500の測距点の配置。

もうピンボケとはサヨナラ!! 一眼レフ・ミラーレスのAF機能と設定まとめました

決定的瞬間を捉える連写性能

連写は速ければ速いほどチャンスをものにすることができます。連写速度においてはミラーレスのほうが勝りますが、直観的な被写体の捕捉にはレフ機のほうが向いています。

連写撮影が何枚ほど持続できるかも調べておきましょう。

小魚を獲った瞬間のアオサギ。高速連写でしか捉えられない世界があります。

Canon、Nikonの連写性能強化モデル

CanonとNikonには、上記のような連写性能に優れたモデルがラインナップされています。現行のものでいうと、Canonでは7Dシリーズ、NikonではD500シリーズが連写に優れたモデルとなります。

どちらもAPS-C機で、秒間10枚以上の高速連写機能と充実したAF性能を持ち併せています。

Nikon D500の外観

最強一眼レフ「ニコンD500」レビューしたよ。

初心者の野鳥撮影にも向いた望遠レンズ

野鳥撮影は最もお金のかかる撮影分野といっても過言ではないほど、撮影機材(特にレンズ)が高価なものになります。

最近は光学技術の発展やレンズのラインナップの多様化によってビギナーでも野鳥の望遠撮影が始めやすくなってきています。

今回は野鳥撮影を始めたいという方のためにオススメの機材を紹介していきます。

まずは手に入れたい、超望遠ズームレンズ

望遠レンズにもほかの焦点距離と同じように、単焦点レンズとズームレンズが存在します。望遠単焦点レンズは数10万から100万円以上のものまであり、一般人がいきなり手を出せるようなものではありません。

野鳥撮影ビギナーにおすすめなのが、望遠ズームレンズ。比較的安価に数万円から十数万円で十分な望遠域の焦点距離をカバーできます。

特におすすめなのが、サードパーティーであるSIGMAやTAMRONのレンズ。純正品より安価に150-600㎜や100-400㎜といった使いやすい画角の望遠ズームレンズが提供されています。私もSIGMAの150-600㎜©を愛用しているのですが、写りも趣味の範囲で楽しむ分には十分すぎるほどの質です。

より高い質、AFの速度を求めるなら純正の望遠レンズを

サードパーティ製のレンズでも十分に楽しめる野鳥撮影ですが、やはり写りとAF性能などのシステム面などには若干の遜色があります。

シャッターボタンに触れた瞬間合焦する爆速AFや、羽毛の一本一本まで写す解像は、純正品のレンズでしか味わえないものがあります。

Nikon 200-500㎜ F5.6

三脚、図鑑、望遠鏡…野鳥撮影にあるとより良いアイテム

三脚

大型の望遠レンズを使うようになると、手持ちでの長時間撮影は難しくなります。安定した撮影を行うことで手ブレを防げるほか、安全なカメラの置き場としても使えます。

数キロにもなる望遠レンズを搭載することになるため、耐荷重は余裕のあるものを選びましょう。

野鳥撮影での雲台はビデオ雲台や自由雲台、ジンバル雲台が好まれます。

カメラやビデオにオススメの三脚について1からわかりやすく解説してみる

図鑑

図鑑は自分の用途・使用するシチュエーションによって選ぶと良いでしょう。

主に家でしっかりと細かい特徴まで学びたいなら、写真や絵がたくさん載っている決定版の図鑑を。

フィールド上で見つけた野鳥をその場で確認したいなら、ハンディタイプのものを用意すると良いでしょう。

双眼鏡・単眼鏡・スコープ

せっかく珍しい鳥がいても、迂闊に近づいて逃げられてしまうことは多々あります。双眼鏡や単眼鏡、フィールドスコープなどがあれば、遠くから野鳥の姿を引き寄せて確認出来ます。

カメラのファインダーを覗けば良いじゃないかと思われるかもしれませんが、双眼鏡などの方が目立たない動作で使えるため野鳥に警戒される可能性を抑えられます。

初心者でも失敗しないための基本撮影設定・テクニック

ブレる前に思い切ってISO感度を上げシャッタースピードを速くする

せっかく決定的な瞬間を前にしても、ブレてしまっては元も子もありません。多少のノイズは気にせず、鳥の姿を確実に捕捉するためにシャッタースピードは速めに設定しておきましょう。

1/2000以上の速さに設定しておけば、飛んでいる鳥でもほとんどの場合はシャープに捉えられます。

朝夕などであまりにも暗く映ってしまう場合は、手ブレを起こさないようにしっかりとカメラを構え、鳥の姿を狙いましょう。

こちらは1/80秒のシャッタースピードで流し撮り。あえて遅いSSで撮ることで、動きの流れを表現することもできます。

シャッタースピードを理解することで、一眼レフで美しく・確実に写真を撮る!

鳥の色に合わせて露出を調整する

綺麗に撮れたつもりでも露出が鳥の色に合っておらず、黒つぶれや白飛びを起こしてしまうことがしばしばあります。

カラスのような暗い色の鳥を撮るときは露出を上げ、逆に白鳥のような明るい色の鳥を撮るときは露出を下げましょう。

明るい露出のまま撮ってしまい、羽の大部分が白飛びしてしまった白鳥の写真。

動き回る鳥たちを捉えるためのAF設定

AFの動作や位置をカスタマイズすることで、鳥の動きをよりAFで捕捉しやすくなります。

動体を狙うときは、動きを追うAF動作に設定する

AF動作の設定で、動いてる被写体にピントを合わせ続けるモードがあります。メーカーによって呼称が異なりますが、Canonでは「AIサーボAF」、Nikonでは「AF-C 」と呼ばれています。

測距点が合っている場所をピントが追い続けますが、測距点から被写体が外れてしまうとピントは背景や前景に持っていかれてしまうので注意。

AFモード、AF-Cで撮影。縦横無尽に飛び続けるトンビにもしっかりピントを合わせ続けてくれました。

 

ひとことメモ「置きピンという選択肢」

鳥がそこを飛ぶ、そこに飛び込む、とあらかじめ分かっていたりそれを期待する場合は、その場所にピントを固定する「置きピン」という手法を用いる場合もあります。

うまくいけば、完ぺきな構図で見事な写真が撮れるかもしれませんが、根気が必要です。

あらかじめ手前の水面にピントを合わせて置き、カワセミの飛び込みを捉えた一枚。カワセミの飛び込みはかなり難易度が高いです…

もうピンボケとはサヨナラ!! 一眼レフ・ミラーレスのAF機能と設定まとめました

連写で決定的瞬間を狙う

鳥たちが何らかの動作をするときや、飛んでいる姿を捕捉しているときは、思い切って連写していきましょう。撮れば撮るほどチャンスはモノになります。

メモリーカードは大容量のものを空っぽにして準備しておく

思い切って連写を続けるために、メモリーカードは撮影前に空にしておきましょう。メモリの容量も、数十GB以上の大きい容量のものを使った方が安心です。

構図の工夫で、より生き生きとした野鳥の写真を残す

一般的な写真の構図でも言われるように、野鳥写真でも意識したい2つのポイントがあります。

1つは3分割構図に当てはめること。鳥自身の配置が自然に写ります。

2つ目は、目線の先や飛んでいく先の方向に空間を設けること。自然なたたずまいや動きの表現が出来ます。

その他基本的な構図の作り方は下の記事をご参考に。

写真をより面白くする!カメラの基本構図パターン10選

野鳥撮影でおさえておきたい5つのマナー

鳥に必要以上に近づかない

鳥たちに必要以上の警戒をさせないためにも、あまり距離を詰めないようにしましょう。

近づいても逃げない場合があったとしても、それは鳥たちは私たちが想像している以上に怯えているかもしれません。鳥たちにストレスを与えないようにすることを第一に考えつつ撮影しましょう。

餌付けを行ったり、環境を改変したりしない。

餌付けを行うことで、鳥たちは本来の行動や生活を変えてしまい、それが死に繋がってしまうこともあります。

撮影しやすくなるようにと草木を刈り払ったりしてしまうことも、生活環境の改変に繋がります。野鳥たちの自然のままの生活を守りましょう。

巣に近づかない

営巣中の巣に近づきすぎると、親鳥が巣を放棄してしまうかもしれません。そうなると、残された雛たちも全滅ということになりかねません。巣を見つけてしまったとしても、そっとして遠くから見守るか、見なかったことにしましょう・・・

野鳥を無理に追いかけ回さない

鳥を追いかけ回す行為は、非常にストレスを与える行為となります。それが繁殖期であったりすると、巣の周りでストレスを与えられ続けた鳥は営巣や繁殖を放棄してしまうかもしれません。

無理な追い回しは厳禁です。

他の人に迷惑をかけない

野鳥撮影に限らない、撮影者としての基本的なことです。路上駐車をしない、通路をふさがない、私有地に立ち入らない、邪魔になるような三脚の立て方をしないなど、十分に周りに気を遣いながら撮影しましょう。

トリひこ君

野鳥たちに思いやりを持って撮影しよう!

まとめ

野鳥撮影の基本的なことについて、お分かりいただけたでしょうか。実は案外手軽に始められて、想像以上の楽しさ、野鳥の魅力を味わえる撮影分野なのです。

鳥たちや自然環境を慈しみ、その姿をファインダー越しに美しく捉えることで、世界観が広がります。ぜひ次のレンズは、超望遠を検討してみて下さい!

東北海道における野鳥や動物、景色がとても綺麗に撮影されている記事もあるのでそちらも是非ご覧ください!

一眼レフで見る絶景!東 北海道の歩き方【釧路湿原】雲海編 一眼レフで見る絶景!東 北海道の歩き方【釧路湿原】湖沼編 一眼レフで見る絶景!東 北海道の歩き方【釧路湿原】夕景編